横須賀でエコジョーズはやめたほうがいい？塩害地域での損益分岐点とデメリットを徹底検証

「ガス代が安くなるからエコジョーズがお得ですよ」。業者からそう勧められて、迷っていませんか？

確かにエコジョーズは省エネ性能に優れていますが、横須賀市のような塩害地域では、必ずしも「お得」になるとは限りません。

なぜなら、潮風の影響で機器の寿命が短くなるリスクがあり、高い初期費用を回収する前に故障してしまう可能性があるからです。

この記事では、元施工管理技士の私が、横須賀特有の環境におけるエコジョーズの「損益分岐点」と「隠れたデメリット」を徹底検証します。

「高いお金を払ってエコジョーズにしたのに、結局損をした…」と後悔しないために、ぜひ最後までお読みください。

エコジョーズの仕組みとメリット・デメリット

👉 このパートをまとめると！
エコジョーズはガス代節約効果が高い反面、初期費用が高く、ドレン排水工事が必要というデメリットがあります。

まずは、エコジョーズが従来の給湯器とどう違うのか、基本的な仕組みとメリット・デメリットを整理しましょう。

エコジョーズの仕組み：排熱を再利用して効率アップ

従来型給湯器は、お湯を沸かす際に出る約200℃の排気熱をそのまま捨てていました。一方、エコジョーズはその排気熱を再利用して水を予熱する仕組みを持っています。

これにより、熱効率が約80%から95%に向上し、少ないガス量で効率よくお湯を沸かせるようになりました。

メリット：ガス代の節約とCO2削減

• ガス代の節約：年間で約10,000円〜15,000円程度のガス代削減が期待できます（4人家族の場合）。
• 環境への配慮：CO2排出量を約15%削減でき、地球環境に優しい選択です。

デメリット：初期費用と設置条件

• 本体価格が高い：従来型に比べて、本体価格が3〜5万円程度高くなります。
• ドレン排水工事が必要：熱を再利用する過程で酸性の凝縮水（ドレン水）が発生するため、これを中和して排出するための配管工事が必要です。
• 故障リスクの複雑化：構造が複雑なため、部品点数が多く、故障のリスク箇所が増える傾向があります。

横須賀市（塩害地域）におけるエコジョーズのリスク

👉 このパートをまとめると！
塩害地域では、エコジョーズの複雑な構造が仇となり、早期故障のリスクが高まる可能性があります。

ここが本題です。一般的なメリット・デメリットに加え、横須賀市特有の「塩害」という環境要因が、エコジョーズの寿命にどう影響するのでしょうか。

1. 内部腐食の進行スピード

エコジョーズは内部に「中和器」や「二次熱交換器」といった追加の部品を持っています。潮風に含まれる塩分は、給湯器の吸気口から内部に侵入し、これらの精密な金属部品を腐食させます。

特に、海から1km以内のエリアでは、標準仕様のエコジョーズを設置した場合、メーカーの想定寿命（10年）よりも早く、7〜8年程度で内部腐食による水漏れやエラーが発生するリスクが高まります。

2. ドレン配管の詰まりリスク

エコジョーズから排出されるドレン水は、専用の配管を通って排水されます。しかし、横須賀の谷戸地形などで、配管の勾配が十分にとれない場合や、落ち葉や砂埃が多い環境では、配管が詰まりやすくなります。

配管が詰まると、ドレン水が逆流し、給湯器内部の基盤をショートさせる原因となります。

損益分岐点のシミュレーション：元は取れるのか？

👉 このパートをまとめると！
4人家族なら約4〜5年で元が取れますが、少人数の場合は10年使っても回収できない可能性があります。

では、具体的にどれくらいの期間使えば、エコジョーズの高い初期費用（差額）を回収できるのでしょうか。横須賀エリアの工事費相場を基にシミュレーションしてみましょう。

前提条件

• 初期費用の差額：約40,000円（本体＋工事費＋ドレン工事費）
• ガス代削減額：年間約10,000円（4人家族・LPガスの場合）

回収期間の目安

このシミュレーションから分かるように、お湯をたくさん使う4人以上の家族であれば、塩害リスクを考慮してもエコジョーズにするメリットは大きいと言えます。

逆に、単身世帯や夫婦二人暮らしでお湯をあまり使わない場合は、10年使っても差額を回収できない可能性が高いため、初期費用の安い従来型の方が経済的です。

まとめ：横須賀でエコジョーズを選ぶべき人、やめるべき人

最後に、横須賀市でのエコジョーズ導入の判断基準をまとめます。

エコジョーズがおすすめな人

• 4人以上の家族でお湯をたくさん使う
• 床暖房や浴室乾燥機など、ガス温水暖房システムを使っている
• 「耐塩害仕様」のエコジョーズを選べる予算がある
• 環境問題への貢献に関心がある

エコジョーズをやめたほうがいい人（従来型がおすすめ）

• 1〜2人暮らしでお湯の使用量が少ない
• 海から極めて近く、塩害リスクが非常に高い場所に住んでいる
• 初期費用をできるだけ抑えたい
• 給湯器の設置場所が狭く、ドレン配管の工事が難しい

「お得」という言葉だけで飛びつかず、ご自身のライフスタイルと横須賀の環境リスクを天秤にかけて、賢い選択をしてください。