給湯器から焦げ臭い・酸っぱい臭いが!ガス臭以外の異臭の原因と対処法
給湯器から「ガス臭」とは違う、焦げ臭い、あるいは酸っぱいような変な臭いがして、不安に感じていませんか?
結論から言うと、その異臭は給湯器の内部で何らかの異常が起きているサインであり、中には火災に繋がる危険なケースもあります。ガス臭ではないからと放置するのは大変危険です。
この記事では、元ガス会社技術者の私が、ガス臭以外の異臭の種類別に、考えられる原因と危険度、そして今すぐご自身でできる対処法を分かりやすく解説します。
【臭い別】給湯器の異臭、その原因と危険度
👉 このパートをまとめると!
「焦げ臭い」場合はホコリや電気系統の異常、「酸っぱい」場合は部品の腐食が原因と考えられます。どちらも放置は危険です。
給湯器から発生するガス臭以外の異臭は、主に以下の3つのパターンに分けられます。ご自身が感じている臭いがどれに近いか、確認してみてください。
ケース1:「焦げ臭い」場合(危険度:★★★★★)
プラスチックや物が燃えるような「焦げ臭い」臭いは、火災に繋がる可能性があり、最も注意が必要なサインです。
- 原因1:内部に溜まったホコリやゴミの燃焼
 給湯器は外気を取り込んでガスを燃焼させるため、内部にホコリや虫の死骸、ゴミなどが入り込むことがあります。これらが燃焼時の熱で燃えることで、焦げ臭い臭いが発生します。不完全燃焼を引き起こす原因にもなります。
- 原因2:電気系統の異常・ショート
 内部の配線や基盤が劣化・故障し、ショート(短絡)を起こしている可能性も考えられます。この場合、プラスチック部品が溶けて焦げ臭い臭いを発生させ、最悪の場合は機器内部から発火する恐れがあります。
ケース2:「酸っぱい」ようなツンとした臭い(危険度:★★★☆☆)
鼻につくような「酸っぱい」臭いがする場合、給湯器内部の部品が腐食している可能性があります。
- 原因:内部部品の腐食
 長年の使用により、熱交換器などの金属部品が腐食することで、特有の酸っぱい臭いを発生させることがあります。腐食が進行すると、穴が開いて水漏れやガス漏れを引き起こし、二次的なトラブルに繋がるため、早めの点検が必要です。
ケース3:「生臭い・ドブ臭い」場合(危険度:★☆☆☆☆)
生ゴミやドブのような「生臭い」臭いは、ガスや機器本体の異常ではなく、配管内の水の問題であることがほとんどです。
- 原因:配管内の水の腐敗
 長期間家を空けていた後など、給湯器や水道の配管内に水が溜まったままだと、雑菌が繁殖して腐敗し、生臭い臭いが発生することがあります。しばらくお湯を出しっぱなしにすることで改善する場合が多いですが、続くようであれば配管の洗浄を検討しましょう。
ガス臭との違いと共通の危険性
👉 このパートをまとめると!
異臭はガス漏れの臭いとは異なりますが、どちらも不完全燃焼や一酸化炭素中毒という命に関わる危険の前兆である点は共通しています。
今回解説した「焦げ臭い」「酸っぱい」といった臭いは、ガス漏れを知らせるために付けられた「腐った玉ねぎ」のような臭い(ガス臭)とは原因が異なります。
しかし、根本的な危険性は共通しています。それは、機器の異常によって正常な燃焼が妨げられ、有毒な一酸化炭素(CO)を発生させる「不完全燃焼」を引き起こす可能性があるという点です。
ガス臭であれ、それ以外の異臭であれ、「給湯器から普段しない臭いがする」という事実は、何らかの異常が発生している重要な警告サインだと認識してください。
異臭を感じたらまず何をすべきか?
👉 このパートをまとめると!
異臭に気づいたら、まず給湯器の使用を中止し、換気を行ってください。その後、自己判断せずに専門の業者へ連絡しましょう。
臭いの種類に関わらず、給湯器から異臭がした場合の初期対応は共通です。以下の手順で落ち着いて行動してください。
- 給湯器の使用を中止する
 まず、給湯器のリモコンの運転を停止してください。
- 換気を行う
 窓を開けて室内の空気を入れ替えます。この際、換気扇のスイッチは操作しないでください。万が一、ガス漏れが併発していた場合に引火するリスクを避けるためです。
- 専門業者に連絡する
 ご契約のガス会社、または信頼できる給湯器専門業者に連絡し、状況を説明して点検を依頼してください。「そのうち消えるだろう」と自己判断で使い続けるのは絶対にやめましょう。
まとめ:ガス臭以外の異臭も重大な故障のサイン
給湯器から発生する「焦げ臭い」「酸っぱい」といった臭いは、ガス漏れとは異なる原因であっても、火災や不完全燃焼といった重大な事故に繋がる危険なサインです。
臭いの原因を自分で特定しようとせず、異変に気づいた時点ですぐに使用を中止し、専門家による点検を受けることが、ご自身とご家族の安全を守るために最も重要な行動です。
 
  
  
  
   
                                                                                                                                                                                                             
                                                                                                                                                                                                            

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