お湯が出ない時の電話相談、賃貸ならどこへ？元管理会社員が教える唯一の正解

夜遅くにお湯が出ず、本当に不安なことでしょう。賃貸トラブル解決コンサルタントの渡辺 修です。元不動産管理会社のマネージャーとして、これまで何千件ものこうした緊急事態に対応してきました。だからこそ断言できます。

今、あなたは「どうしよう、誰に電話すれば…」とパニックになっているかもしれません。でも、大丈夫。あなたのせいではありません。

この記事の結論は一つだけです。今すぐ見るべきは、スマホの検索結果ではなく『賃貸借契約書』。そこに書いてある番号が、あなたをトラブルから守る唯一の正解です。

この記事を1分読むだけで、あなたは混乱から解放され、落ち着いて「正しい最初の電話」をかけられるようになります。

まず落ち着いて。あなたが今、絶対にやってはいけないたった一つのこと

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焦ってネット検索で見つけた業者に電話するのはNG。高額な自己負担につながる危険があります。

仕事で疲れて帰宅した深夜、シャワーを浴びようとしたら冷たい水しか出ないという状況で、冷静でいられる人はいません。多くの人が、パニック状態でスマートフォンを手に取り「お湯が出ない 業者 すぐに」などと検索してしまいます。

しかし、どうかその手をとめてください。賃貸マンションにお住まいの場合、インターネット検索で見つけた業者に慌てて電話をすることが、あなたが今絶対にやってはいけない、たった一つのことです。

なぜなら、賃貸物件には貸主（大家）と借主（あなた）の間で守るべき「賃貸借契約」というルールが存在するからです。このルールを知らずに行動してしまうと、本来は大家さんが負担すべきだったはずの修理費用、数万円をあなたが自己負担することになる可能性があります。

なぜ「契約書」が最強のお守りなのか？賃貸のルールを1分で解説

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給湯器は大家さんの所有物で、修理義務も大家さんにあります。あなたの役割は報告することです。

ではなぜ、インターネット検索ではなく賃貸借契約書が絶対的な正解なのでしょうか。それは、賃貸住宅の法律とルールが、あなたの安全と財産を守るために明確に定められているからです。ポイントは3つだけです。

1. 設備（給湯器）は、大家（貸主）の所有物である
   あなたが毎日使っている給湯器は、部屋に備え付けられた設備です。そして、その設備の所有者は、部屋を貸している大家（貸主）です。これは、国土交通省が定める「賃貸住宅標準契約書」にも明記されている基本中の基本です。
2. 大家（貸主）には、修理する義務がある
   大家（貸主）は、あなたがその部屋で問題なく生活できるよう、設備（給湯器）を正常に維持する義務を負っています。これを「修繕義務」と呼びます。つまり、経年劣化などで給湯器が故障した場合、その修理を手配し、費用を負担するのは原則として大家（貸主）の責任なのです。
3. あなた（入居者）には、報告する義務がある
   一方で、あなた（入居者）の役割は、修理業者を探すことではありません。設備（給湯器）の異常に気づいたら、「お湯が出ません」と速やかに大家（貸主）または、その代理人である管理会社に知らせる義務があります。

この関係性を理解することが非常に重要です。賃貸借契約書は、このルールにおけるあなたの正式な報告先である管理会社を正確に特定する、唯一の公的な書類なのです。

今すぐできる！正しい電話相談のための3ステップ

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①契約書で連絡先を確認 ②電話前に状況をメモ ③会話例に沿って伝える、の3手順です。

理屈は分かっても、いざ行動するとなると不安ですよね。ここからは、誰でも迷わず実行できる具体的な手順を解説します。

ステップ0：その前に1分だけ！簡単セルフチェック（無理なら飛ばしてOK）

電話をかける前に、ごく簡単な確認だけしておくと、話がスムーズに進むことがあります。ただし、パニック状態で無理に確認する必要はありません。「難しそう」と感じたら、迷わずステップ1に進んでください。

• 給湯器のリモコンの電源は入っていますか？ 意外と単純な見落としの場合もあります。
• 家のブレーカーは落ちていませんか？ 一度、分電盤を確認してみましょう。

ステップ1：賃貸借契約書から「緊急連絡先」を探す

まず、入居時にもらった書類の中から「賃貸借契約書」を見つけ出してください。ファイルにまとめて保管している方が多いはずです。

契約書の中に、「管理会社連絡先」「緊急連絡先」「管理規約」といった項目があります。多くの場合、24時間対応のコールセンターの電話番号が記載されています。その番号が、あなたが今かけるべき電話番号です。

ステップ2：電話で伝える内容をメモする（コピペOK）

いざ電話をかけると、焦ってうまく説明できないものです。以下のテンプレートを使って、事前に伝えるべき情報をメモしておきましょう。

ステップ3：このまま読めばOK！電話の会話例

準備ができたら、いよいよ電話です。以下の会話例を参考に、落ち着いて話せば大丈夫です。

これだけで、あなたのやるべきことは完了です。

よくある質問（FAQ）

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契約書がない場合や費用負担、修理までの過ごし方など、追加の疑問にお答えします。

Q. 賃貸借契約書が見つからない場合はどうすれば？

A. まずは落ち着いて、書類を保管していそうな場所をもう一度探してみてください。どうしても見つからない場合は、物件の入り口や掲示板に管理会社の連絡先がシールで貼られていることがあります。それもなければ、物件を仲介してくれた不動産会社の連絡先がわかる場合は、そこに電話して管理会社を教えてもらうのが次善の策です。

Q. 修理費用は本当に私が払わなくていいの？

A. はい、給湯器の寿命や自然な故障（経年劣化）が原因の場合、費用を負担するのは大家さんです。あなたが費用を負担するのは、「故意または過失」で給湯器を壊してしまった場合（例：何かをぶつけて物理的に破損させた）などに限られます。普通に使っていて壊れたのであれば、心配する必要はありません。

Q. 電話がつながらない場合はどうしたら？

A. 24時間対応の窓口でない場合、夜間はつながらないこともあります。その場合は留守番電話に「部屋番号・氏名・お湯が出ない旨・折り返しが欲しい旨」を落ち着いて録音し、翌朝を待ちましょう。決して、ご自身で業者を探さないでください。

Q. 修理業者が来るまで、お風呂はどうすればいい？

A. 残念ながら、修理が完了するまではお湯は使えません。ご不便ですが、近隣の銭湯や温浴施設を利用するなどの対応が必要になります。状況によっては、大家さんや管理会社が費用の一部を負担してくれるケースも稀にありますが、基本的には自己負担となることが多いです。

まとめ：あなたのやるべきことは、たった一つです

もう一度、最も大切なことを繰り返します。

突然お湯が出なくなってパニックになった時、あなたのやるべきことは「賃貸借契約書を見て、そこに書いてある番号に電話する」、ただそれだけです。

この記事を読んだあなたは、もう正しい知識を身につけました。ネットの情報に惑わされ、不要な出費をするリスクもありません。もうパニックになる必要はありません。落ち着いて行動すれば、このトラブルは必ず解決できます。

さあ、今すぐ入居時に受け取った書類ファイルの中から賃貸借契約書を探し出し、安心への第一歩を踏み出しましょう。