給湯器の寿命を延ばす正しい水抜きと凍結防止ガイド|寒波から守る手順とNG行動

給湯器のトラブル

給湯器の寿命を延ばす正しい水抜きと凍結防止ガイド|寒波から守る手順とNG行動

「今夜から数年に一度の猛烈な寒波がやってくる」というニュースを見て、不安を感じていませんか?特に、以前、実家や旧居で給湯器が凍結し、数日間お湯が使えず銭湯通いを強いられた経験がある方や、知人から「修理に10万円近くかかった」という話を聞いたことがある方なら、なおさらでしょう。

「自分の家の給湯器は大丈夫だろうか」「もし壊れたら、この寒い中でお湯が使えなくなる……」そんな焦りを感じているあなたに、まずお伝えしたいことがあります。給湯器の凍結防止は、正しい手順を知っていれば、わずか10分ほどの作業で完了します。

この記事では、修理歴20年のベテラン技術者の視点から、リンナイ・ノーリツ・パロマといった主要メーカー共通の「正しい水抜き手順」を解説します。さらに、この「水抜き」という作業は、単なる凍結防止だけでなく、給湯器の心臓部を守り、寿命を数年延ばすための最高のメンテナンスでもあるのです。

今夜、安心して暖かい布団に入るために。そして、大切な給湯器を1日でも長く使い続けるために。スマホを片手に、そして暗い屋外を照らす懐中電灯を用意して、ぜひ最後まで読み進めてください。

この記事を書いた人
  • お助け隊長ケン

    かつての苦いトラブル経験を原点に、水回りやガラスの修理から害虫駆除まで、暮らしのあらゆるSOSを徹底調査。優良業者選びの専門家として、あなたが「最適な一手」を見つけるための羅針盤となる情報だけを、中立的な視点でお届けします。


この記事の監修者
  • 田中 誠(元ガス設備工事士 / 住宅設備アドバイザー)

    大手ガス設備会社で15年間、現場責任者として従事し、これまで5,000件以上の給湯器トラブルに対応し、多くのお客様から「もっと早く相談すればよかった」との声をいただく。現在は独立し、特定の業者に偏らない中立な立場で、消費者向けのWebメディア監修や住宅設備に関するアドバイスを提供している。「不安な時こそ、冷静な判断を」をモットーに、業界の正直な情報を発信中。

なぜ「水抜き」が給湯器の寿命を延ばすのか?凍結防止以上のメリット

「水抜き」と聞くと、多くの人は「凍結して配管が割れるのを防ぐための、冬だけの緊急処置」だと考えがちです。しかし、20年現場を見てきた私から言わせれば、水抜きは給湯器の寿命を延ばすための「攻めのメンテナンス」です。

給湯器の心臓部である「熱交換器」は、常に水にさらされています。長年使用していると、配管内にわずかな不純物やサビが蓄積し、それが熱効率を下げたり、金属疲労を早めたりする原因になります。

定期的に水抜きを行うことで、配管内に蓄積したサビや微細なゴミを水と一緒に排出し、内部をリフレッシュすることができます。「凍結防止」という原因が「故障回避」という結果を生むだけでなく、「内部洗浄」というプロセスが「長寿命化」という大きなリターンをもたらすのです。

水抜きは「冬の義務」ではなく、給湯器への「ご褒美」だと考えてください。

なぜなら、水抜きが内部洗浄を兼ねているという点は多くの人が見落としがちですが、凍結対策で水を抜く際に、配管の底に溜まった微細な汚れも一緒に流れ出るからです。私が修理に伺うお宅でも、寒波のたびに律儀に水抜きをされている方の給湯器は、内部の熱交換器が驚くほど綺麗で、15年以上現役というケースも珍しくありません。この一手間が、将来の数万円の出費を抑えることにつながります。

【メーカー別】失敗しない水抜きの全手順|リンナイ・ノーリツ・パロマ対応

さて、ここからは具体的な作業に入りましょう。リンナイ、ノーリツ、パロマといった主要メーカーであれば、基本的な構造は同じです。暗い屋外での作業になるかもしれませんので、懐中電灯を用意して、以下のステップを順に確認してください。

水抜きの基本3ステップ

  1. 供給を止める: ガスの元栓と、給湯器へつながる給水元栓をしっかり閉めます。
  2. 空気を送り込む: 家の中のすべての蛇口(お湯側)を開けます。これで配管内に空気が入り、水が抜けやすくなります。
  3. 水を出し切る: 給湯器本体の下部にある「水抜栓」を回して外します。
項目 リンナイ (Rinnai) ノーリツ (NORITZ) パロマ (Paloma)
水抜栓の形状 樹脂製の手回しネジが多い フィルター一体型が主流 側面に配置されているモデルあり
エコジョーズ対応 ドレン排水切替バルブに注意 中和器内の残水排出を推奨 排水フレキ管の凍結に配慮が必要
電源プラグ 抜かない(ヒーター作動のため) 抜かない(凍結予防運転のため) 抜かない(自動ポンプ運転のため)

絶対にやってはいけない!凍結防止の「3大NG行動」

良かれと思ってやった行動が、逆に給湯器を破壊してしまうことがあります。現場で私が「あぁ、これをやっていなければ……」と悔やむことが多い、3つのNG行動をお伝えします。

  1. 電源プラグを抜いてしまう
    「節電のため」や「水抜きをするから」とプラグを抜く方がいますが、これは非常に危険です。給湯器には、気温が下がると自動で配管を温める「凍結防止ヒーター」が内蔵されています。水抜きが不完全だった場合、プラグが抜けていると一晩で配管が破裂します。
  2. 凍った配管に「熱湯」をかける
    朝、お湯が出ないからといって、凍った配管に熱湯をかけるのは厳禁です。急激な温度変化で配管やバルブが割れ、修復不可能なダメージを与えます。
  3. ガス栓だけを閉めて安心する
    ガスを止めても、配管の中に水が残っていれば凍結します。重要なのは「水」を管理することです。

凍結による部品破損の修理費用は、軽微なもので15,000円から、熱交換器の交換が必要な場合は50,000円から100,000円に達することがあります。また、寒波時は修理依頼が殺到し、復旧まで1週間以上待たされるケースも少なくありません。

出典: 冬の準備:給湯器の凍結に注意 – 日本ガス協会, 2026年2月参照

【FAQ】もし凍結してしまったら?最短で復旧させるプロの技

「水抜きを忘れて、朝起きたらお湯が出ない!」そんな時でも、焦ってはいけません。

  • Q: 凍結してしまった場合、どうすればいいですか?
    • A: 基本は「自然解凍」を待つことです。日が昇れば自然に溶けます。どうしても急ぐ場合は、配管にタオルを巻き、その上から30〜40度程度の「ぬるま湯」をゆっくりかけてください。
  • Q: 蛇口から水も出ないのですが……。
    • A: 給湯器だけでなく、水道管自体が凍結している可能性があります。この場合も無理に蛇口を回さず、室温を上げて待つのが一番の近道です。
  • Q: 凍結防止ヒーターがあるのに、なぜ水抜きが必要なのですか?
    • A: ヒーターは電気で動いています。寒波による停電が起きた場合や、ヒーターの能力を超える極低温(マイナス10度以下など)では、ヒーターだけでは守りきれないからです。

まとめ

給湯器の凍結防止は、あなたの家のインフラを守る大切な儀式です。

  • 水抜きは凍結を防ぐだけでなく、寿命を延ばすメンテナンスである。
  • 「閉める・開ける・抜く」の3ステップで、作業は10分で終わる。
  • 電源プラグは絶対に抜かず、凍結しても熱湯はかけない。

今、この記事を読み終えたあなた。まずは懐中電灯を持って、外にある給湯器の様子を見に行ってみませんか?「水抜栓はこれかな?」と確認するだけでも、不安は大きく解消されるはずです。

今夜の10分が、明日朝の温かいシャワーと、将来の10万円を守ります。大切な住まいの守り手として、最初の一歩を踏み出しましょう。

参考文献

  • 給湯器の凍結による故障を防ぐために – リンナイ株式会社
  • 断水・凍結について – 株式会社ノーリツ
  • 冬の準備:給湯器の凍結に注意 – 一般社団法人 日本ガス協会

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